デジタル化が進む昨今、歯科の世界にもその波が押し寄せています。
現在歯科治療におけるデジタル化の主役は口腔内スキャナーです。
今まで歯に被せ物や詰め物を製作する際には粘土のような材料を使用して、「型取り」という方法が必ず必要でした。口腔内スキャナーは型取りの代わりに口の中を撮影しながらデータ化していく装置です。
この方法は、従来の「型取り」に比べて下記のような利点があります。
〈効率化(スピードアップ)〉
粘土による型取りよりも速い時間でスキャンが可能です。
また、スキャン後の被せ物や詰め物の製作日数も大幅に削減できます。
〈精度の向上〉
従来の型取りでは材料の変形、膨張、収縮などにより、完成した被せ物や詰め物の精度に影響を及ぼすことがありますが、スキャンではその精度が向上します。
つまり、より歯に適合精度が増す被せ物などが製作可能ということです。
精度が向上すると、脱離しにくくなったり、被せ物の内部のご自身の歯の虫歯予防などにも繋がります。製作する前にスキャンしたデータで被せる歯に隙間が空かないかなど、肉眼では見えにくい細部まで確認することも可能です。
〈型取りによる不快感の軽減〉
従来の方法では粘土のような材料を口の中にいっぱいに入れて型取りをしていました。
この方法は嘔吐反射のある方や、口が小さい方などにとってはかなり辛い方法でした。
スキャンの場合、そういった不快感も大幅に軽減します。
〈材料の節約〉
従来の型取りの際に使用する粘土のような材料、型取りした物を模型にするために注入する石膏もスキャンの場合は必要ないため、材料を使わず資源節約・環境保護に繋がります。
新型コロナウィルスから考える
上記の利点に加え新型コロナウイルスによって一変した世界では、
「人との接触回数を減らす」「接触感染の予防」という役割も重要な利点となりました。
というのも今までは
粘土による型取り → 石膏模型の製作 → 技工所に人を介して送付
という流れだったのですが、
口腔内スキャナーでは粘土などの材料を使用せず、データをPCから送信します。
人を介さず、データを受け取った技工士もそのデータをを元に製作するため、
患者さんの唾液などが付着した石膏模型などを扱うこともありません。
コロナ禍を経験した今後の世界ではそういった意味でも普及させなくてはいけないものと考えます。
当院の口腔内スキャナー治療
現在、この口腔内スキャナーは普及しているとは言えない状況で、
まだ限られた歯科医院でしか導入されていません。
当院では今以上に普及していなかった数年前からいち早く導入をし、
現在までにかなりの症例数を扱い、様々なケースに対応してきましたので、
安心して口腔内スキャナーによる処置を受けていただけます。
一部保険診療に使用できます。(それ以外は保険外(自費)診療での扱いとなります)
患者様の症例でどのような利点があるか、治療費などの説明は診察の上わかりやすくご説明するよう心がけておりますので、お気軽にご相談ください。